月の裏

怪談や都市伝説などのいわゆる「怖い話」を紹介していくブログ

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社会不安と都市伝説

都市伝説のような噂が広まるとき、その時代特有の社会不安が背景として存在している、ということはよくあることだ。都市伝説とは、集団的な不安の共有のようなところがあるので、ある種の集団的ヒステリーである暴動などに結びついて流布するということはよくある。そして、タチが悪いことに、そういうつながりを意識しているのかいないのか、その種の社会的事件が起こると、意図して何らかの噂を流そうとする人間が出てくる、というのも、残念ながら人間社会の悲しい事実である。こういう噂には他愛もないものも多いが、ときに明確な悪意を含む場合もある。

ようやく沈静化してきた感があるが、ここ数週間、中国で反日デモが繰り返されてきた。日中間の互いの感情は、これまでも決して良くはなかったのであるが、この一連の騒動で一気に悪化した感がある。そしてこういうときは、元々、中国を快く思っていなかった人間の中から、これを機に悪意ある噂を流そうとする者が現れても不思議ではない。

近頃、ネット上では、ソースがどうも明確でない、都市伝説っぽい話を目にすることがある。大体、次のような筋だ。

中国の暴徒化の現状は、実際に報道されているよりもひどいものである。もはや彼らは見境をなくしていて、日本車に乗っているだけで襲われる中国人まで現れた。彼は、車をメチャクチャに壊され、金品を奪われ、一緒にいた恋人は何人もの暴徒に強姦された、という。中国の警察は、こうした暴徒の乱行には見た見ぬふりをして、助けてくれることはない。日本人の被害者も実際には相当多いと思われる。中国には行ってはいけない。

話によって襲われるのは中国人ではなく日本人だったり、襲うのは暴徒ではなく犯罪者であったり、とディテールは変わる。だが、いずれにしても、中国は警察も機能していない無法地帯であり、男性は暴力の対象となり、女性は性的に暴行される、というような要素を含むようだ。



中国を危険な国、と思いこませる都市伝説としては、今までは「ダルマ」の話が有名であった。これは、すでに多くの方が知っている話だと思うが、中国の奥地に旅行に行った人が、そこで立ち寄った見せ物小屋で「ダルマ」・・・つまり四肢を切断された状態・・・で晒し者にされている日本人を見かける、という話だ。ダルマにされる被害者は「立教大学の3回生」や「某女子校のお嬢様」あたりが定番だ。この話も元々は、とある外国での話、として語られることが多かったのだが、日本での中国人犯罪者の報道が目立つようになった頃から、「中国での話」として語られることが定番になってきたような気がする。(もっとも、これはちゃんと検証したわけではなく、私の主観でしかないが)



もちろん、こういう話は明確なソースがない分、虚偽と断定することも難しいし、私にはこの話を虚偽と断定する証拠を示すことはできない。だが、真実であると責任持って言えない話を、さも真実のように語ることに対しては、本当に慎重にならなければならない。

噂くらい、と思うなかれ。場合によっては、噂というものは、暴動以上の恐ろしい暴力となり得るのだ。噂は、直接的に誰かを傷つけるわけではない分、加害者側の立場にいるときは、その恐ろしさを自覚できず、それがまた延々と加害行為を継続させることにもつながる。

実際を知らずに無責任に安易な噂を語り伝えるとき、その瞬間に私たちは、無意味に投石する大衆以上に危険な暴力を行使したことになるのだ。
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  1. 2005/05/01(日) 22:12:23|
  2. 雑記|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:2
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コメント

はじめまして★
遠くから、呼ばれたように迷い込んでやってきました。
<月の裏>を読みたくて、アタシのブログ内でブックマークをさせていただきました。大したブログではないですが、なかなかヒトサマに言えないことを、ツラツラと書いているブログです。
ぜひ、読者にさせてください。
どうぞ宜しくお願いいたします。
 
  1. 2005/05/04(水) 03:34:49 |
  2. URL |
  3. onnashachou #-
  4. [ 編集]
ありがとうございます!
こんな辺境の異世界まではるばるようこそ!です。

いろいろとあって、お返事がすっかりと遅くなってしまい、すみませんでした。もうじきに退院できると思いますので、そうしたらまたバリバリ更新していきたいと思います。今後ともよろしくお願いしますね!
  1. 2005/05/11(水) 13:44:00 |
  2. URL |
  3. Uジロー #-
  4. [ 編集]

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幽二郎

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